02 / MONEY & VALUE
お金と豊かさ
3億円を手にして20年。
お金に対する考え方は、ずいぶん変わった。
お金があれば、人生は豊かになると思っていた。
今は、少し違う。
大切なのは、いくら持つかより、何に使うかだと思っている。
NOW
お金を増やすことが、
目的ではなくなった。
若い頃は、お金が欲しかった。
もっと稼ぎたい。
もっと自由になりたい。
欲しいものを、我慢せずに買いたい。
そして2005年、ロト6で3億円を超える当選金を手にした。
それから20年以上が過ぎた今、 お金に対する気持ちは当時とはかなり違っている。
今は、「いくら持っているか」より、
「何に使うか」の方が大切になった。
もちろん、お金は必要だ。
老後への不安がまったくないと言えば、それも嘘になる。
ただ、お金を増やすことだけを考えて生きたいとは、 もう思わなくなった。
THEN
3億円を手にした頃、
お金は力だと思っていた。
ロト6の1等に当選したとき、 目の前に突然、それまで想像したこともない金額が現れた。
お金があれば、できることは確かに増える。 欲しかったものを買うことも、仕事から距離を置くことも、 それまでより簡単になった。
だから当時の私は、 お金が増えれば、その分だけ人生も豊かになるように感じていた。
お金があれば、自由になれる。
あの頃、本当にそう思っていた。
今になって、それを間違いだったと否定するつもりはない。
実際、お金に助けられたことも、
お金があったから経験できたこともたくさんある。
CHANGE
欲しいものが、
少なくなった。
それは、我慢するようになったということではない。
01
物欲が薄くなった
昔ほど、いい車に乗りたい、 大きな家や高価なものが欲しい、と思わなくなった。 手に入れた瞬間の満足より、 その後の自分に何が残るかを考えるようになった。
02
「足るを知る」が分かるようになった
何も持たないことを目指しているわけではない。 ただ、自分に必要な量が分かれば、 際限なく追い続けなくてもよくなる。
03
使うなら、時間や経験に使いたい
旅をする。誰かと食事をする。 新しいことを学ぶ。好きなものを味わう。 今は、そういう時間にお金を使う方が 自分には合っていると思っている。
HEALTH
健康でなければ、
お金を使うこともできない。
60歳になって、
この当たり前のことを以前より強く感じる。
お金があっても、体が動かなければ行きたい場所へ行けない。
食べたいものを楽しめない。
会いたい人に会いに行くことも難しくなる。
若い頃は、お金を貯めることや増やすことを 先に考えていた気がする。
でも今は、健康も時間も無限ではないことを意識するようになった。
REALITY
それでも、
老後の不安はある。
3億円を当てたからといって、
一生お金の心配をしないわけではない。
60歳で定年を迎え、会社員としての毎月の収入はいったん途切れた。
これから何年生きるのか。
どこまで働くのか。
年金でどこまで暮らせるのか。
考えれば、不安になる材料はいくらでもある。
不安がないのではない。
不安だけを基準に生きないようになった。
将来のために今を全部我慢するのも違う。
だからといって、何も考えず使ってしまうのも違う。
その間の、自分にとって心地よい場所を探している。
INVESTMENT
「足るを知る」と言いながら、
今も投資をしている。
一見すると、矛盾しているように見えるかもしれない。
現在も、株式や投資信託などで資産運用をしている。
もちろん、増えればうれしい。
相場を考えたり、企業を見たりすること自体も好きだ。
ただ、投資の目的は 「もっともっとお金持ちになること」だけではない。
老後に備えること。
資産を守ること。
そして、自分の頭で考えながらお金と付き合うこと。
お金から離れるのではなく、
お金に振り回されない距離で付き合いたい。
それが、今の自分にとっての投資との距離感だ。
※ここで紹介しているのは、私自身のお金との付き合い方です。
特定の投資方法や金融商品を勧めるものではありません。
MY VALUE
今の私にとって、豊かさとは。
昔より持っているものが少なくても、
今の方が満足している部分は多い。
欲しいものを全部手に入れることではない。
自分の時間があること。
健康で動けること。
会いたい人に会えること。
行きたい場所へ行けること。
そして、そのために必要なお金があること。
それくらいでいいのかもしれない。
FROM HERE
これからも、考えは変わると思う。
お金について、完成した答えを持っているわけではない。
働き方が変われば、考え方も変わるかもしれない。
年齢を重ねれば、使いたいものも変わるかもしれない。
だから、このページで誰かに正解を教えるつもりはない。
3億円を手にした頃の自分と、60歳になった今の自分。
その間で変わってきた考えを、ここに残しておきたいと思う。